研究は止まったら終わり 現在も走り続けている理由とは

室戸海洋深層水株式会社

代表取締役社長

小松 静雄

COMPANY INTERVIEW

深層水との出会い、きっかけ

元々安芸市内で勤めていたのですが、2000年に当時の社長に誘われ、新しい飲料水商品の立ち上げに関わることになったのが深層水との出会いでした。
元々、(商品の立ち上げが軌道に乗るであろう)3年後位には会社を去ることになるかと勝手に想像していましたが、2003年には高知工科大学と産官学で共同研究を進めることとなり、結果会社に留まることに。
それからは、現在の主力商品にも繋がる深層水由来の"塩"や"にがり"を開発へ向けて進むことになりました。
2010年に社長を引き継ぎ、現在も走り続けています。

製塩システムへのこだわり

2003年から進めてきた研究開発は、12年の時を経て、遂に実を結びます。
2015年、深層水のミネラルを残しつつ大幅なエネルギー削減を可能にした「製塩システムの導入」に成功しました。
同時に2017年に"省エネ大賞資源エネルギー庁長官賞"を受賞したことも、大きな喜びです。
思い起こせば、多くの紆余曲折がありましたが、他社にないモノづくりをしたいという一心で取り組んだ結果、そのシステムにより、当社自慢の"にがり"商品が出来ました。
この"にがり"は、カルシウムをはじめ豊富なミネラル成分を保っており、他社に簡単に真似できない独自の商品で全国初めて健康食品の特許権を3件取得しています。

日々扱う中で感じること

長年にわたり向き合ってきた深層水ですが、その可能性はまだまだあると思っていますし、自社が扱う"にがり"にも様々な商品展開への可能性が拡がっていると日々感じます。
特に、健康食品や醗酵食品への利用は多くの商品への波及効果が高く、注力している分野の一つです。
近年では四国経済産業局の支援も受けて、県内にとどまらず、大手食品メーカーなどにも取り扱いを広げ、深層水由来の"にがり"を全国に拡げるべく邁進しています。

今後の展望

当社所在地の室戸市は過疎化が進んでおり、今後は雇用創出などを通じて課題に貢献できればと思います。
まずは現在の社員の雇用をしっかり守ること、そして自社の事業拡大を続けることで、その先に雇用創出も見えてくると思います。

当社は研究開発型の企業。企業は研究に投資を続けないといけないし、止まったら終わりだと思っています。また、海洋深層水は貴重な資源で、これを大切に活用していかなければなりません。
「地域資源を守り、社員の幸福を守る。」そのために商品開発と販路拡大を続け、会社としての知名度も上げていきたい…、その先に地域課題への貢献も見えてくると考えています。