ロマンに満ちた話に大きな感動を覚え はじまった商品開発研究

赤穂化成株式会社

取締役常務執行役員

中川 光司

COMPANY INTERVIEW

深層水との出会い、きっかけ

室戸海洋深層水との出会いは『塩の自由化に備え、新たな原料を探しているとき』でした。
平成に入って以降、塩の自由化が国会でずっと審議されていました。自由化されれば海外から安価な塩が入ってきます。対抗するために、「次の新しい塩作りをどうするか」、「安全、安心な、環境汚染のないところで塩づくりができないか」、会社として模索していました。
そんな中、1995年の1月頃、たまたま雑誌で高知県海洋深層水研究所の記事を目にした社長が閃いたのが「この深層水で塩が作れないか!?」ということでした。早速訪れた研究所で、「途方もない年月をかけて流れてきた深海の海流が、室戸沖で湧昇している」というロマンに満ちた話を聞いた社長が大きな感動を覚えたこともあり、当社での商品開発研究は始まりました。その後、2002(平成14)年に塩は自由化されましたが、当社は海洋深層水との出会いのおかげで、諸外国の輸入塩や国内他メーカーの塩と競い合える塩を作ることができたと自負しています。
 一方、この素晴らしい深層水をもっと活かしたいと考え、塩造りだけでなく、飲料水などその後の様々な商品作りも進めていきました。

自社商品へのこだわり

お客様のニーズをよく聞き、安全性や有効性にこだわった商品づくりを進めています。そのために、高知県の研究機関や高知大学に指導していただきデータに基づいた商品開発を行っています。
海洋深層水を使った商品づくりについては、安全性や有効性の面で、まさに深層水の持つ清浄性やミネラルに着目して進めてきたとも言えます。

日々(深層水を)扱う中で感じること

海洋深層水のミネラルを使った飲料を飲用すると、腸内環境に好影響を及ぼすという高知大学グループの研究結果があります。
また、同じ海水でも、表層海水のミネラルよりも海洋深層水のミネラルを使った飲料を飲用する方がより効果があるという研究結果もあります。
様々な分野の研究成果を見る度に、海洋深層水は『多くの可能性を持つ再生可能な資源』であると改めて日々感じています。

今後の展望

当社は、「新しい海洋文化」の創造を通じ、広く社会に貢献することを企業活動の核としています。
商品開発においては、主力の塩、にがり、飲料分野に加え、新たにサツキマス、スジアオノリの陸上養殖に取り組んでいます。まだ明らかになっていない海洋深層水の機能解明を続け、新たな商品を開発したいと考えています。
また、本社のある赤穂市の伊和都比売(いわつひめ)神社の境内で、2022年から「AMAMI TERRACE(アマミテラス)」というカフェをオープンしました。美しい海の景色が広がるフォトジェニックなスポットで、当社が手掛ける海の食材を使ったランチやスイーツを提供しています。このAMAMI TERRACEは、お客様と直接のコミュニケーションを図る場として、深層水飲料の飲み比べ、深層水塩の味比べなど、海洋深層水のPRも積極的に行っています。私自身も毎月店頭に立つのですが、やはりお客様との会話で気づかされることは多く、接客をとても楽しみにしています。
2023年には、天日塩製造施設である「天のハウス(あまのはうす)」も開設もしました。観光工場として、多くの方に塩の魅力の発信をしていくことを目指しています。
このように、「新しい海洋文化」の創造の一環として、当社では新しい取組みを続けていきます。そして室戸海洋深層水という資源が、当社の企業活動を支えてくれていると感じています。