「原料づくりからこだわる」が 当社のDNAとも言えるモノづくりへの姿勢

澁谷食品株式会社

総務部長

福田 賢

COMPANY INTERVIEW

深層水との出会い、きっかけ

1996年、ちょうど高知県としても室戸海洋深層水の振興を図ろうとしていた頃だと聞いていますが、当時、高知工場の工場長を務めていた方が「芋けんぴの新しい素材として(海洋深層水を)使えないか」と興味を持ち、試作を開始したのがきっかけです。
今でこそ当社も様々な素材を使った商品がありますが、当時はまだ種類も少なかったですから、試作段階で従来の芋けんぴの「甘い」から「甘塩っぱい」という新しい感覚に出会った時に、手応えを感じたんですね。
しかし、商品として量産化するのは簡単ではありません。
実は芋けんぴの製造では、原料であるさつま芋を揚げて糖蜜をくぐらせた後、当社独自の乾燥機にかけるんです。しかし、熱を加える処理をするため、一定味が薄れてしまうので、細かい配合が必要なんですね。味が濃過ぎて芋の風味を損なわないようバランスを調整したり、芋のカット面をアレンジしたり…、試行錯誤を重ねてやっと商品化に成功したのは2000年のことでした。
このように、芋けんぴの自然で素朴な味と風味は、繊細な努力から生み出されているんです。

自社商品へのこだわり

「原料づくりからこだわる」が当社のDNAとも言えるモノづくりへの姿勢です。
九州にあるグループ会社で農業法人取得をしている会社で、土作りや苗づくりを行っており、当社が使うさつま芋は、当社が提供した苗から育ててくれている農家さんや自社の畑で採れたさつま芋を使っています。
芋の種類は「黄金千貫」といい、九州南部で主に焼酎に使われる品種で、さつま芋の中でも大きく白いのが特徴です。また、収穫して時間が経つと糖化することから、収穫から加工(カットして揚げる)までを2日以内に行うことを鉄則にしています。
40年以上前から、菓子製造メーカーで一早く原料づくりの会社や体制を確保してきたことは強いこだわりですし、室戸海洋深層水も同じく原料にこだわる中で、期待をこめて使ってきた素材です。
豊富なミネラルや芋けんぴとの合性は素晴らしく、期待を上回る素晴らしい素材だと長年感じています。

日々深層水を扱う中で感じること

2000年に発売開始した、海洋深層水を使った「塩けんぴ」は当初は売上が伸び悩んでいました。ただ、大手小売業様での取り扱いが決まってから、瞬く間にヒットし、おかげ様でロングセラー商品になりました。
当社グループの企業理念に、「お客様に喜んでいただける商品づくりを追及します」と掲げています。日夜、様々な商品づくりに励んでいますが、やはり海洋深層水を使った「塩けんぴ」はその理念を実現できる、お客様に美味しいと思っていただけるお菓子の一つだと自信を持っています。