運命的な出会いから急展開 大手企業と新しい事業にチャレンジ

株式会社タケナカ

代表取締役社長

竹中 利文

COMPANY INTERVIEW

深層水との出会い、きっかけ

1999年12月、タケナカ段ボールの社員として、県外で研修中だったところ、父(現タケナカグループ会長)から突然こんな連絡がありました。「ダイドードリンコさんと深層水商品を一緒に作っていくことになった」
元々研修は3年の契約でしたが、その時点ではまだ一年程度。しかし父から「残り2年の研修を半年に縮めて帰らせてもらいなさい」と言われ、急展開で慌ただしく高知に帰ってきた記憶があります。

海洋深層水そのものは、地元の農協で商品が作られていたので知っていましたが、自分が深く関わることになったのは、この父とダイドードリンコ社長との運命的な出会いからですね。
大手企業と新しい事業にチャレンジできる、そんな「ワクワク感」が強かったことを今でもはっきりと覚えています。

商品へのこだわり

タケナカグループの一員として、私も2000年から"Dydo miu"の商品化に関わることになります。
"miu"には、初代商品当時から室戸海洋深層水の原水を入れていて、化学添加物を一切使わずにネラルバランスがとれている素晴らしい商品です。実は商品名も"umi(海)"から連想したもの。まさに海の水を使った商品にふさわしいネーミングでスタートしましたね。
当時は海洋深層水もブームを迎えようとしていた時期でもあり、おかげさまで初代"miu"は大ヒット、当社グループとダイドードリンコ様との関係は現在にも続くこととなります。

しかし、全国規模で商品展開をされている大手企業との商品開発を続けることは、決して簡単なことではありません。頻繁に商品はリニューアルされる訳ですし、海洋深層水を原材料として使い続けていただくためには、周囲には知られていない努力や交渉もしてきたつもりです。
その甲斐あってか、海洋深層水の含有量を減らすことなくmiuの製造も続いてきました。
「海洋深層水なくしての商品開発はあり得ない」。当社グループは強いこだわりと、ダイドードリンコ様の共感を得て、海洋深層水を世に送り出してきたと自負しています。

日々扱う中で感じること

海洋深層水を扱う中で、ステークホルダーへの貢献について日々意識しています。
ダイドードリンコ様と事業を供にするとなって、会社を室戸市に設立でき(*ダイドー・タケナカビバレッジ)、地元室戸での雇用をさせていただきましたし、それを機にお付き合いの始まった運送会社様、資材などの発注先様、様々な関係者様が"安定した仕事"と明るく受け止めてくださっていることを今でも嬉しく思っています。
海洋深層水と出会い、ステークホルダーの皆様と一緒に歩んできたと思っています。

また、"消費者の方々へいいものを届けたい"という思いで立ち上げた、自社ブランドの商品についても日々研究開発を続けています。面白いことに研究を続けるほど、様々な健康効果への期待が発見されており、海洋深層水の可能性に私自身が魅せられています。
Dydoブランドの商品作りだけで留まるのではなく、自社としても海洋深層水の可能性を日々追いかけています。

今後の展望

高知海洋深層水企業クラブの会長も務めさせていただくことになってから、会員企業の皆様に貢献するためにも、より産業全体について考えることが多くなりました。
ですので、今後を語る前に、今一度、室戸海洋深層水の産業のこれまでを振り返りたいと思います。
1989年_日本初の海洋深層水の取水地となり、1996年_食品への転用に成功したのは世界初、以降も日本の海洋深層水のパイオニアとして様々な分野で商品が生まれましたし、高知県の重要な資源として、行政からも多くの施策を展開していただきました。
その歴史の中では順風満帆なことだけではなく、ブームの終焉、深層水から撤退する企業、コロナ禍での打撃などもありました。

しかし、室戸海洋深層水に関わる全ての企業や団体の努力があって、今なお室戸海洋深層水産業は止まることなく続いてきました。
今後も深層水産業の発展は「続く」と確信していますし、私自身が率先して、深層水の価値を伝えること、深層水の可能性を追いかけることを「続けて」いきたいと思います。