豆腐屋にとって水は命。 創作意欲をかき立てた衝撃とは。

株式会社タナカショク

代表取締役社長

田中 幸彦

COMPANY INTERVIEW

深層水との出会い、きっかけ

1996年、「ミネラル豊富な水」が室戸沖に湧き上がっているという噂を聞きました。
私達豆腐屋にとっては水は命。いても立ってもいられず、翌日すぐに高知市から室戸市の高知県海洋深層水研究所へ車を飛ばしたのが始まりでした。

深層水豆腐へのこだわり

試作品の衝撃から、本格的に商品化へ移ります。しかし、元々豆腐は同じ材料で同じように作っても毎日少しずつ味や風味が変わる繊細な食べ物です。当然、深層水を使った際も品質の安定は一筋縄ではありませんでした。
しかし、妥協せずに調整を続けた結果、最初の試作から半年近くたった97年に、遂に深層水豆腐の商品化に成功しました。
当時を振り返れば、最初の試作品の衝撃を再現したい、と試行錯誤を繰り返していたように思います。現在は商品ラインナップも増えましたが、今なお"原点"を追い求めて妥協しない商品作りを続けています。

日々扱う中で感じること

おかげさまで深層水豆腐は毎日たくさんの量を出荷でき、多くの県民の方に食べていただいています。
直接感想をご連絡いただけることもありますが、長く商品作りを継続してこれた事実が、県民の方に信頼されてきた証と受け止め、励みにしています。

同時に、私達の商品を支える「海洋深層水」を大切に扱っていきたいという思いも強くなっています。
商品として海洋深層水を扱う以上は、しっかり安全性に配慮し、私達も含め全ての事業者さんに品質管理を徹底してほしいと願います。
室戸海洋深層水マークが真にブランドとしての価値を持つこと、また産業の発展を望むからこそ、品質管理を私達は大切に感じています。

今後の展望

室戸海洋深層水とは長い付き合いになり、深層水を使うことは私達にとって切っても切れない関係になりました。これからも深層水と共に、魅力的な商品開発を進めていきます。

また、産業全体に目を向けると…
日本各地で海洋深層水は取水されるようになりましたが、そのルーツは日本初の取水地である"室戸市"だと思っています。
そのため、室戸海洋深層水が日本の深層水のパイオニアとして、さらに多方面へ産業が拡がっていくことを期待します。
一方で、現時点では商品としての流通はまだローカルに留まっているようにも感じます。
今後は、室戸海洋深層水単体で価値を発信するのではなく、オール高知で他の産業との垣根を越えるような連携が進めばと思いますし、私達も何かの形で貢献できれば嬉しいです。